作業療法士は通称、OT(Occupational Therapistの略)とも呼ばれ、看護師や理学療法士などとともに医療現場で活躍する医療従事者のことをいいます。OTは、病気やケガなどによって、身体や精神に不自由を抱える患者に対し、医師の指導に基づいたリハビリテーションを行います。具体的には、手芸や工芸といった作業を通じて、患者の日常生活に欠かせない動作を取り戻させたり、社会生活で正常に生活するために必要な精神状態を回復させる役割を担います。
OTに似た仕事に、通称PTと呼ばれる理学療法士(Physical Therapist)があります。患者のリハビリテーションで重要な役割を担う点で共通していますが、OTが作業を通じて身体や精神の機能を回復させるのに対し、PTは運動療法や物理療法を用いたリハビリを行います。つまり、PTは基本動作に絞ったリハビリテーションを担当し、OTはやや高度な動作や精神領域まで幅広い分野のリハビリテーションを担当します。
日本は、世界でも類を見ない超高齢社会に直面しています。OTが果たす役割はますます大きくなり、活躍できる場所はどんどん増えています。リハビリテーション病院にとどまらず、老人保健施設や特別養護老人ホーム、小児病院や児童福祉施設、精神科病院や精神保健福祉センターなどで活躍することができます