独学のみで自分のファッションブランドを立ち上げることがおすすめできない理由

服が好きな人にとって憧れの職業の1つ、ファッションデザイナー。華やかさに惹かれる方ももちろん多いと思いますが、それ以上に、自身の「表現」の手段としてファッションデザインを選ぼうと考える方は多いと思います。

ご存じかとは思いますが、ひとくちにファッションデザイナーといっても、いろいろな働き方があります。企業に所属し、マーケティングに基づいて「売れる服」を作ることが仕事のファッションデザイナーもいれば、世界観ごと生み出し発信するファッションデザイナーもいます。自身の表現として服を作りたい、自分のブランドを立ち上げたいと考える方のほとんどは後者でしょう。大量生産の服ではなく、自分の名前で手に取ってもらえるような服を作りたい…服が好きな方であれば、誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

オリジナルブランドを持つ魅力

オリジナルブランドを持つ魅力は、何より自分の表現したいものを自由に表現できることです。企業に所属する場合、求められたものに合うデザインを考える必要があるため、自分の中にあるものを表現するのは難しいでしょう。しかし、オリジナルブランドは、自分の世界を表現するためのブランドといっても過言ではありません。一つの分野において極めることもできます。表現できる幅が広がるのは、ファッションデザイナーという表現者として、これ以上にない喜びです。

また、働き方を自分でコントロールできるのも、大きな魅力の一つです。企業に就職すれば、決められた時間に出社して、仕事。仕事が終われば帰宅という、働き方が固定されてしまいます。独立すれば、どんな働き方をするかは自分次第です。例えば、夜型だから夜に働く、朝早くに働いて、切り上げるのを早くする、など、自由な働き方が可能です。

ファッションデザイナーとして独立するのは夢の一つだと思います。では、ファッションデザイナーとして独立し、オリジナルブランドを立ち上げる場合、独学で行うことは可能でしょうか?

独学でファッションデザイナーを目指すことは難しい?

・ファッションデザイナーを目指せる選択肢

自分のファッションブランドを立ち上げたいと考えた時、まず初めに浮かぶ選択肢は「専門学校に通う」か「独学でデザイン力を身に着ける」かの2択かと思います。ファッションデザインに関する指導書や参考書はたくさん出版されていますので、独学であってもファッションデザインの基礎は身に着けることができるかもしれません。

しかし現在第一線で活躍しているファッションデザイナーの中に、完全に自分の力だけで一流になったという方はほとんどいません。たとえ優れた感性と豊富な服の知識を持っている方であっても、名のあるデザイナーに師事するか、専門学校で学ぶといったルートを経ています。

・ファッションブランドを独学で立ち上げるのが難しい理由

その理由として、ただ好きな服を作るだけでは、ブランドとして成立しないからです。ブランドとして成立させるためには、服を作るだけでなく、それを流通させる手段を考えなければなりません。加えて、指導書や専門書で学んだデザインの基礎を、どう今の時代の服に落とし込んでいくかといった応用力は、独学で身に着けることが秘奥に難しいものです。

時代にマッチしつつ、自分の内面にあるものを表すためには、どのようなことを考えファッションデザインをするべきか…。そして、作った服をどのように流通させるのか、そこまで考える必要があります。そのような「生の感覚」を身に着けるために、一流となったデザイナーたちは「人から学ぶ」という選択をしているのです。

しかし現代において、すでに一流となり活躍しているデザイナーに師事できる方は、ごく一部です。特別な人脈やつながりを持っている方でない限り、ファッションを学べる専門学校に入学することがもっとも現実的な選択肢であると言えるでしょう。

専門学校在学中にブランドを立ち上げる人も多い

専門学校によっては、オリジナルのブランドの立ち上げに関するノウハウを学べるところもあります。例えばファッションの専門学校として有名な「モード学園」では、ブランドの立ち上げを想定し、プロのバイヤーから買い付けを受けるという超実践型のオリジナルカリキュラムを設けています。モード学園の生徒の中には、このカリキュラムを活かし、在学中に自分のブランドを立ち上げる方も多くいます。専門学校への入学は、自分のブランドを持つための最短のルートと言えるのではないでしょうか。

一度企業で働いてから独立という選択肢も

ファッションデザイナーとして独立し、オリジナルブランドを立ち上げた方の中には、一度企業内でファッションデザイナーとして働いた後に、独立し、オリジナルブランドを設立する場合もあります。むしろ、こちらの方が多いかもしれません。

独立し、自分のブランドを立ち上げる場合、多大な資金が必要になります。専門学校に通ったとして、卒業直後にその資金が溜まっているかというと、難しいでしょう。アルバイトで稼いでいたとしても、学費や教材、移動費、生活費などでそこまで貯金するのは厳しいものがあります。企業に就職すれば、安定した収入を定期的に得ることができるので、貯金も可能です。現場に出て、働きながら、勉強しながら収入を得られると思うと、今後に大いにやつ立つはずです。

専門学校は、就職に強い学校です。まずは、一度は企業に所属し、独立してオリジナルブランド立ち上げの準備や勉強をしながら働くのも良いでしょう。

オリジナルブランドを立ち上げるための準備も必要

卒業後すぐにオリジナルブランドを立ち上げたい!という方もいるかもしれませんが、油断は禁物です。夢がある分、大変なこともたくさんあります。まずは、正規の道を進み、準備が整ったら、動き始めるのでも遅くはありません。